2013年10月24日
油井の豊年祭準備 「左縄綯い」「紙垂作り」
油井集落のミャー、イビガナシを囲むガジュマルの裏手・広場。
そこでは「左縄」綯いが行われていました。
「左縄」綯い
↑↑ 動画は、写真をクリック ↑↑
「左縄」綯いはこの御三方で進められていました。
「ワンは見習いっちょね~」といいつつ、縄用の稲藁を選別する左奥の方。
「あげ~、難しゃ~」といいながらも、縄綯いをする写真中央の方。
現在、「左縄」綯いのリーダーは写真右の方とのこと。
「左縄」綯いは、とても難しいようです。
通常の縄綯いと違い、左によりをかけて綯われるのが「左縄」。
これは土俵の4本柱上部に縛りつける縄で、「カミサマ用の縄」とのことでした。
約30分でこの長さ!
「左縄」は13ヒロ(約15m)綯うそうです。
完成した「左縄」は土俵の柱に縛りつけます。
「左縄につける、紙のヒラヒラの作ってるから見ておいで~」と、脚立の上からからにっこり教えていただきました。
「紙垂(シデ)」作り
↑↑ 動画は、写真をクリック ↑↑
「紙垂」は注連縄(しめなわ)についている、ヒラヒラした紙のこと。
特殊な紙の裁ち方・折り方をするので、現在はこの方しか作ることがきでないそうです。
作られている方に作っている物の名前を聞くと「知らない」との答えが返ってきました。
当委員会ではブログ記事の説明上、一般的な呼び名「紙垂」を使用しました。ご了承ください。
「紙垂」は左縄の交差する1箇所のみにさげられます。
土俵作りも佳境に入ってきました。
稲藁を土俵四隅の柱に巻きつけ、切りそろえていきます。
東西の柱には「清めの塩」が置かれます。
そして、土俵に砂が撒かれ、
中央に砂山を作り軍配をさすと、土俵作りの完成です。
* * * * * * * * * *
ちから飯作りから始まった豊年祭準備は11時過ぎに終了。
終始、笑顔の絶えない準備風景でした。
取材しつつも、思わず準備を手伝ったりと、他者も「スッ」と入れてしまう油井集落の皆さんが持つ穏やかな雰囲気。
だいぶお邪魔してしまい、ご迷惑をおかけした部分もあったとは思いますが、
稲作から豊年祭・準備風景、そして豊年祭の取材を行わせていただき、
感謝の気持ちでいっぱいです。
油井集落のみなさん、本当にありがとうございました!
油井集落・公民館 楽屋にて。
油井の豊年踊りで使用される「紙面」
ほほえみをたたえたその表情は、油井集落の皆さんの笑顔そのもの。
「また、来年も油井にうもりんしょれよ~」
瀬戸内町・油井集落
S.B.I 調査員 鼎さつき
2013.10.20
2013年10月22日
油井の豊年祭・準備 「綱かき」
油井の豊年踊り の一番目の演目、「綱切り」。
その演目で使われる綱は、豊年祭当日に作られます。
『綱かき』
まずは稲藁を3か所に運びます。

この稲藁は「油井の稲作」で収穫されたもの。
脱穀後、公民館に保管されていました。
さぁ、公民館前の大木にロープを渡し、「綱かき」が始まりました!

「イチ・ニ・サン・シ」の掛け声と供に、綱がどんどん作られていきます。

縄は「なう」と言いますが、これは2束の藁で作る場合をさします。
一方、油井の豊年祭で使われる綱は、3束の稲藁で作られていますね。
3束以上の藁で綱を作る場合、綱を「かく」というそうです。

↑↑ 動画は、写真をクリック ↑↑
子供も祭準備の大切な担い手ですね。

綱の長さは23尋(ヒロ)(=約25m)
休憩をはさんで、約1時間半で完成しました!
出来上がった綱は公民館近くの空き地に置かれます。

置かれた綱の様子は、まるでとぐろを巻いた「蛇」のよう。

「この綱は蛇を表していて、頭は必ず東に向くように巻いていく」とのこと。
民俗学では、
蛇は稲作と深い関わりのある動物。
脱皮を繰り返す蛇は「死と再生」、「水の循環」を表すそうです。
「綱切り」の演目で、綱を3回切り、2回結ぶのは「再生」を表しているのでしょうか?
また、区長さんのお話しでは「稲穂は2回切るとまた穂を出し収穫できる」ということを表しているそうです。
* * * * * * * * * * * *
次は、豊年祭の「左縄、紙垂作り」に続きます。
< 参考文献 >
・ 「瀬戸内町誌 民俗編」 瀬戸内町
瀬戸内町・油井集落
S.B.I 調査員 鼎さつき
2013.10.20
その演目で使われる綱は、豊年祭当日に作られます。
『綱かき』
まずは稲藁を3か所に運びます。
この稲藁は「油井の稲作」で収穫されたもの。
脱穀後、公民館に保管されていました。
さぁ、公民館前の大木にロープを渡し、「綱かき」が始まりました!
「イチ・ニ・サン・シ」の掛け声と供に、綱がどんどん作られていきます。
縄は「なう」と言いますが、これは2束の藁で作る場合をさします。
一方、油井の豊年祭で使われる綱は、3束の稲藁で作られていますね。
3束以上の藁で綱を作る場合、綱を「かく」というそうです。
↑↑ 動画は、写真をクリック ↑↑
子供も祭準備の大切な担い手ですね。
綱の長さは23尋(ヒロ)(=約25m)
休憩をはさんで、約1時間半で完成しました!
出来上がった綱は公民館近くの空き地に置かれます。
置かれた綱の様子は、まるでとぐろを巻いた「蛇」のよう。
「この綱は蛇を表していて、頭は必ず東に向くように巻いていく」とのこと。
民俗学では、
蛇は稲作と深い関わりのある動物。
脱皮を繰り返す蛇は「死と再生」、「水の循環」を表すそうです。
「綱切り」の演目で、綱を3回切り、2回結ぶのは「再生」を表しているのでしょうか?
また、区長さんのお話しでは「稲穂は2回切るとまた穂を出し収穫できる」ということを表しているそうです。
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次は、豊年祭の「左縄、紙垂作り」に続きます。
< 参考文献 >
・ 「瀬戸内町誌 民俗編」 瀬戸内町
瀬戸内町・油井集落
S.B.I 調査員 鼎さつき
2013.10.20