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2013年11月29日

第8回 瀬戸内町子ども島口・伝統芸能大会

10月26日(土)
瀬戸内町では

奄美群島日本復帰60周年記念
第8回瀬戸内町子ども島口・伝統芸能大会 が開催されました。



1古仁屋中




会場は出番を待つ児童生徒や保護者,見学者でいっぱいでした。
2会場風景

第7回の様子 → 


この日は15の小中学校が自慢の島口・島唄・伝統芸能を披露しました。
(与路小中学校は台風の影響で会場に来ることができなかったそう。残念です。)

参加した学校は以下の学校です。
嘉鉄小学校,伊子茂小学校,西阿室小学校,秋徳小中学校,薩川中学校,俵中学校,
池地小中学校,阿木名中学校,久慈小中学校,古仁屋小学校,油井小中学校,薩川小学校,
諸鈍小中学校,篠川小中学校,古仁屋中学校


急きょ決まった取材だったので,嘉鉄小学校と伊子茂小学校の発表は見ることができず(申し訳ありません・・・)
今回は取材することができたエントリー№ 4~16までの発表をご紹介いたします。
(嘉鉄小学校と伊子茂小学校については,文章のみの紹介になります。)


*****


2.嘉鉄小学校 (17名)
  8月踊り「ちじょりゃ浜」「がてぃんぐわ」
 
嘉鉄小学校では運動会や学習発表会,集落行事などで8月踊りを踊っています。
集落の皆さんから8月踊りを教えていただき,唄と踊り,両方を一生懸命学んでいるそうです。





3.伊子茂小学校 (8名)
  島口劇 「追い込み漁」
 
奄美に伝わる伝統的な追い込み漁の様子を,児童が魚とダンバーに分かれ演じました(見たかったです・・・)。





4.西阿室小学校 (6名)
  伝統芸能 「立神太鼓」
3西阿室小学校
西阿室集落の海に浮かぶ立神。
そこに打ち寄せる波の様子を太鼓で表現しています。



4西阿室小学校
力強い太鼓の音を会場中に響かせましたね。





5 秋徳小中学校 (11名) 
  島口劇 「水は山おかげ 人は世間おかげ」
 
           
 
 
 
5秋徳小中学校
2年連続の浸水被害,そして今年の少雨・・・
秋徳集落で起こった天候被害を,ユーモアたっぷりに演じました。



6秋徳小中学校
変化する自然の中,暮らす私たちに何ができるのでしょうか。
考えさせられる内容でした。





6 薩川中学校(11名)
  伝統芸能(棒踊り) 「実久棒踊り」
7薩川中学校
「実久棒踊り」は旧暦9月9日に実久集落で行われる「実久三次郎祭」で奉納される,伝統芸能。



8薩川中学校
三尺と六尺の棒の二手に分かれ,踊ります。
勇壮な踊りはまるで演武を見ているようでした。





7 俵中学校 (8名)
  三味線・島唄 「涙そうそう」「イトー」
9俵中学校
総合的な学習の時間,地域の指導者のもと,練習に励んだみなさん。
始まりは緊張していたようですが、
曲が進むにつれ,笑顔が見える子も。



10俵中学校
緊張をモノともせず,皆さん頑張りましたね。





8 池地小中学校 (4名)
  島口劇 「てんしき」
11池地小中学校
落語「てんしき」を池地小中学校バージョンにアレンジ。
今回の島口指導は池地,請阿室の2つの集落から1名ずつ指導者を招いて行われたそうです。



12池地小中学校
「てんしき」は「屁」のことなのに,知ったかぶりをした和尚が小僧に「てんしき」を借りて来いといいます。
聞く人聞く人知らないのに知ったかぶり。
最後に和尚さんの知ったかぶりがお使者さんにもばれてしまいます。



13池地小中学校
演目選びから舞台小道具作りまで,4人で頑張ったそうです。





9 阿木名中学校 (9名)
  三味線 「稲すり節」
14阿木名中学校
総合文化発表会の演目「未来へ繋ぐ」から後半の1部分を披露してくれました。
終戦直後の本土生活者がシマを懐かしみ,島唄を唄うシーン。
なんとも言えない哀愁が漂っていました。



15阿木名中学校
劇に三味線・島唄と終わってホッとした表情。
お疲れ様でした。





10 久慈小中学校 (6名)
   八月踊り 「ドンドン節」 「にぎたい」 「でっしょう」 「しゅくてん」 「ほこらしゃ」
16久慈小中学校
会場よりチジンの音を響かせ入場。



17久慈小中学校
5曲もの八月踊りと唄を披露してくれました。





11 古仁屋小学校 (4名)
   相撲甚句 「甚句唄・踊り」
18古仁屋小学校
会場入場時には、子供たちが全国大会参加時に行われる「入場陣太鼓」を再現。




19古仁屋小学校
集落豊年祭には欠かせない「相撲甚句」。
古仁屋地区では青年団によって引き継がれています。
今回は古仁屋相撲クラブ(鎌田監督)の子供たちが,古仁屋地区の相撲甚句を披露してくれました。





12 油井小中学校 (17名)
   島唄・三味線 「いきゅんにゃかな」
20油井小中学校
油井小中学校では今年から島唄・三味線・太鼓の練習を始めたそうです。



21油井小中学校
中学生の三味線に合わせ,小学生が大合唱。
4月から練習を始めたとは思えない,完成度でした。





13 薩川小学校 (10名)
   伝統芸能 「バッケバッケ」
22薩川小学校
ヒギャジマンでも以前取材させていただいた 芝集落の「バッケバッケ」。
「バッケバッケ」は豊年祭の前夜祭として実施されています。
もともとはその年に取れた米や南瓜,冬瓜などを分けてもらい,
地区ごとの女性たちがその食材で料理し,豪華さを競っていたそうです。



23薩川小学校
いつからか,子供たちがお菓子をもらいに家々を回るようになったそう。
まるで,ハロウィンのようですね。



24薩川小学校
お菓子をもらって嬉しそう!





14 諸鈍小中学校 (14名)
   島口劇 「加計呂麻ツアーへようこそ」
25諸鈍小中学校
映画「男はつらいよ紅の花」のロケ地となった,諸鈍集落。
今回の劇では,生間港から始まる加計呂麻ツアーに,会場の皆さんも一緒になって参加させてもらいました。



26諸鈍小中学校
劇中で「寅さん」の一場面を再現するシーンでは,会場中が笑いの渦に。
迫真の演技に,大爆笑でした。



27諸鈍小中学校
この小さなウッチュ達の演技も,お兄さんお姉さん達に負けず劣らず可愛かったです。
皆さん,場馴れしているのは芸能のシマ,諸鈍だからなのかもしれませんね。





15 篠川小中学校 (13名)
   三味線・島唄 「豊年節」「一切朝花節」
28篠川小中学校
薩川小中学校では豊年祭や高齢者表敬訪問等に向け,三味線や島唄の練習を行っているそうです。



29篠川小中学校
子供たちの唄声と三味線の音がいつまでも響いてほしいですね。





16 古仁屋中学校 (2名)
   島唄・三味線 「くるだんど節」「よいすら節」
30古仁屋中学校
取りを飾ったのは「永井しずの三味線教室」の二人。
ヒギャ唄を支える若きホープです。
のびやかな唄声を会場中に響かせていました。


*****



講評は前瀬戸内町町長の義永秀親さん。
31講評

「皆さんの発表はどれも素晴らしかったけれど,シマグチがみんな似ているのはどうしたものか」

この発言にちょっと驚いてしまいました。
シマグチも少しずつ「シマグチの共通語」が生まれているということなのでしょうか?



「山の水がシマ毎にかわるように,言葉もかわる」
「各シマの方言やイントネーションでシマグチを使ってほしい」
「胸を張って自分のシマの言葉を,笑いにかえる余裕をもって,堂々と発してほしい」


そして、一番大事なのは

「両親やシマ(故郷)への感謝の気持ち」 
「感謝の気持ちを忘れず,シマの文化を大切に後世へ伝えていってほしい」 と,述べられていました。



普段、なかなか使わない島口。
子ども達にとっては,大会を通して島口や伝統芸能を意識し,表現する良い機会になったのではないでしょうか。

この大会を通して,私も瀬戸内町の持つ,言葉の豊かさ,芸能のすばらしさを再認識することができました。
みなさん,ありがとうございました!

シマの文化の担い手たちは,輝いていましたよ。

今年見逃した皆さん!
来年はぜひ観にいらしてくださいね。





瀬戸内町・古仁屋

S.B.I 調査員  鼎さつき
2013.11.10








  


Posted by S.B.I at 09:00Comments(0)奄美大島民俗シマグチ伝承