しーまブログ 旅行・観光瀬戸内町 ブログがホームページに!しーま新機能のお知らせ! さばくる~イベント情報受付中!~

2014年03月18日

SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)

平成26年2月22日(土)、23日(日)に
平成25年度瀬戸内町文化遺産活用実行委員会講座が行われました。

今回は奄美の染色技法のひとつ、リュウキュウ藍を用いた「藍染め」を学び楽しむ講座。
そして今回は「型染め」「しぼり染め」の二つの染色方法にも挑戦しました。

***
平成26年2月22日(土)、
この日は「型染め」についての講座でした。


講師は 大内 一恵 先生
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
ご出身は大阪府で、小さい頃は切り絵が大好きだったそうです。
染色に興味を持ち、奄美に来島。
そして、独学で「型染め」の技法を学んだそうです。


「型染め」は白生地の上に型紙を置き、その上から防染糊(ぼうせんのり)をへらで置き、
乾いてから染色する方法です。


これは先生の作品
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
型紙の彫りの細かさ・美しさに驚きますね。



これは嘉徳集落・よしかわ工房さんで染めた先生の作品。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
よしかわ工房さんは今回型染めの染色でお世話になる工房さんです。



この靴下の文様も型染めで作られたそうです。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
同じ型染めですが、こちらの作品は沖縄の紅型染と同じ技法を使っているとのことでした。



型染めの工程は以下の通り。
①下絵を描く
②型紙に下絵を写してカッターで切る
③型紙に紗(細かい網)を貼る
④型紙に糊を置く
⑤乾燥
⑥染色

この日の講座では、①~⑤までの工程を行いました。



先生から型染めの工程の他、型紙作りのポイントも教えていただきました。
型紙作りでの目や口の表現について。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
なんだか、難しい・・・?と思いましたが、
先生が下絵を書いた後に型に合う絵に調整してくださる。と聞いてほっと一安心でした。



先生の説明が終わると、下絵描き。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
完成図を想像し、カッターで切る部分、残す部分を決めながらの下絵描きです。
皆さん、10×10の下絵を前に、真剣に悩んでいます(笑)。



下絵を家で書いて持参した子も。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
一番乗りで型紙へ下絵を写していました。



切り絵の本を参考にするのもいいですね。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



みなさん、素敵なデザイン!
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)


SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




下絵が完成すると、今度は型紙作りです。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
下絵を型紙に写し、カッターで切っていきます。



型紙は「洋型紙」という型紙専用の紙。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
下絵が細かくなるほどカーブや角の切り方に技術が伴います。



皆さん、切る作業に集中するあまり、だんだん口数も少なくなってきていました。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




カッター初挑戦!
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
先生に見守られながら、少しずつ慎重に・・・



できた!完成!
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
最後まで切ることができました◎



皆さんの型紙
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




なんとか型紙作りを終えると、次は「紗張り(しゃばり)」
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
「紗」は型紙の補強用の布。
これを型紙に貼り付けていきます。



型紙には糊がついており、アイロンをあてると型紙と紗がくっつきます。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
黄色い「離ケイ紙」と呼ばれる耐熱紙をしいた上から、5秒ほどさっとアイロンをあてます。



SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
その後、余分な紗を切り終えると、型紙は完成です。
型紙には防水処理がなされているので、半永久的に使うことができるそうですよ。



次は、いよいよ糊貼り。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
真っ白のハンカチを前に、どこに模様を入れようか考えます。



使われる糊は餅米、糠、塩でできているそう。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
粘り気のとても強い糊です。
固くなってきたら消石灰を入れて混ぜ、糊の状態を調節するそうです。
(今回は藍染めへの影響を考え、消石灰を入れていないそうです)



まずは多めに糊を取り、型紙の上に糊をのせます。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



【糊置きの工程】
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
①切った文様部分を埋めるよう、まんべんなく糊をひろげていきます。
②型紙に糊が均一にのるよう、余分な糊をヘラで取っていきます。
③型紙の切った部分を糊で埋めるくらいの薄さ、に糊を残します。
④糊置きが終わると、ハンカチから型紙をそっとはずします。


糊を取りすぎると、染色時に色が染み込みやすくなるとのこと。
薄すぎず、厚すぎず・・・
この塩梅が難しかったです。



型紙は続けて糊置きせず、その都度水洗いし型紙についた糊を落とします。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
そうすることで、型紙通りの糊置きができ、美しく染色できるそうです。



糊置きがうまくできなかった部分は、後から妻楊枝などで修正も可能なようですよ。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




さぁ。糊置きを始めましょう。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
型紙の枠外に糊がはみでないように、慎重に慎重に。



SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
みなさん、黙々と糊置きに熱中しています。



糊置きが終わると、乾燥です。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
この作業は今の季節だと数時間干すだけ。
先生によると、糊置きの時期は冬場がベストとのこと。
湿気の多い時期だと、ドライヤーを使って乾燥させても、
すぐに空気中の湿度によって糊がふやけてしまうそう。



続いて、翌日の染色工程について説明がありました。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
型染めの染色時のポイントは、「急がない、ゆすらない、リラックス」
ゆっくり染色液に布をひたし、染色・・・そして、ゆっくりハンカチを引き上げる。
これは、
糊が水分を吸うと膨らむため、染色液の中でゆすったりすると糊が布からはがれやすくなるからなんだとか。
美しい型染めの作品作りは、染色の時間をゆっくり楽しみながら作られるんですね。




***

翌日の2月23日(日)
この日の会場は瀬戸内町嘉徳集落にある「よしかわ工房」さん。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



瀬戸内町でリュウキュウ藍による藍染め体験ができる工房です。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



これは藍の染料タンク!
「藍の華」がふわふわ浮いていました。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
思わず覗き込んでしまいます。




さぁ、いよいよ染色開始です!
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
「急がない、ゆすらない、リラックス」を合言葉に
ハンカチをゆっくりと藍の染料へひたしていきます。



ハンカチを持つ指先まで染料につかったところでストップ。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
ここで、昨日先生がお話しした「リラックス」の意味が判明。
ハンカチの両端をピーンと張りながら高さをキープするので、
思わず肩に力が入ってしまうのです。
リラックスしながらの2分間は、けっこう長かったです。



そして、ゆっくりハンカチを引き上げていきます。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
糊は染料を含み、はがれやすくなっているのでハンカチがたわまないよう
ゆすらないよう気をつけます。



引き上げると、染料の表面ぎりぎりの高さでハンカチを2分間キープします。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
「藍の色の変化を楽しんでください」
先生の一言に、みなさんじ~っと色が変わっていく様を観察。



碧色から藍色へ。
藍の染料は空気に触れると藍の成分が酸化します。
すると碧色から藍色へと徐々に色が変化していくそうです。


そして、もう一度ハンカチを染料の中へ。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



2分間、またじっと待ちます。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



ハンカチを引き上げると、最後の酸化。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
物干し竿に2分間、ハンカチを干します。



これが終わると、糊落とし。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
ハンカチについた糊と余分な染料を落としていきます。



糊が洗い流されると、染め抜いた模様がでてきましたね。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




水洗い後は、乾燥。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
完全に乾くと糊を置いた部分の白色がよりはっきりでてくるとのこと。



1回目の染色後の色
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)



そして、2回目の染色、糊落としまで終わった後の色
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
碧色から藍色へ
色の変化がはっきりわかりますね。




乾燥後。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
愛らしい模様に、ほっと和みますね。
藍の池に浮かぶ蓮の花。美しい!


「島ぬ宝」!
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




さっそく、型染めのハンカチをバンダナにしている子供も。
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)




1日目の型紙作りから始まった、「型染め」。
細かい文様を自分の手で切り出し、
糊を置き、色を染める。

ハンカチを洗い、模様が浮かび上がるたびに、
思わずにっこり、みなさんの笑顔が増えていきました。


今回の講座ではリュウキュウ藍による藍染めに「型染め」の技法を取り入れ、
新たな藍染めの魅力に触れることができました。

じっくり時間をかけて自分で作った藍染めのハンカチ。
講座に参加された皆さんにとって、きっとお気に入りの一枚になったのではないでしょうか。



大内先生、よしかわ工房の吉川さんご夫婦
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。




2014.3.9
SBI調査員  鼎さつき





同じカテゴリー(奄美大島)の記事画像
県民大学講座 「奄美地域の先史・原史文化」
おしらせ 講座「いがいとしらない?ねこのこと!?」
おしらせ 県民大学講座・瀬戸内町で開催! 「奄美地域の先史文化」
【奄美の自然 じっくり体験会】 へ参加してきました!
海底ミステリーサークルも終盤!
ヤコウガイを磨いて小物をつくろう
同じカテゴリー(奄美大島)の記事
 瀬戸内町内の戦争遺跡を観光する皆様へ (2018-05-17 14:08)
 県民大学講座 「奄美地域の先史・原史文化」 (2014-09-19 08:00)
 おしらせ 講座「いがいとしらない?ねこのこと!?」 (2014-09-17 08:47)
 おしらせ 県民大学講座・瀬戸内町で開催! 「奄美地域の先史文化」 (2014-09-01 09:04)
 【奄美の自然 じっくり体験会】 へ参加してきました! (2014-08-28 08:00)
 海底ミステリーサークルも終盤! (2014-08-25 11:26)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
SBI講座「リュウキュウ藍染め体験」(型染め)
    コメント(0)